嗜好順位法…?日本酒のきき酒方法と謎に包まれた全国大会についてご紹介
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皆様、お酒は嗜まれますでしょうか?
昨今の社会情勢としまして飲酒に対しての風当たりは厳しく、この傾向はこれからもずっと続くと思われますが、使い方を誤らなければお酒は人生を豊かにしてくれる存在だと信じております
悪いのは道具ではなく使い方を間違えた人間なのですから…(完)
…ではなく、今回はお酒ライフを楽しむための1つとして、ゲーム感覚で参加できる日本酒のきき酒大会についてご紹介させていただきます
全国きき酒選手権は「日本酒造組合中央会」さんが開催している全国大会で、2024年時点で第43回を迎える歴史ある大会です
地方予選を勝ち抜いたきき酒の猛者等が東京都新宿区のリーガロイヤルホテル東京に集結し、嗜好順位法によるきき酒の点数で優劣を付けつつ筆記試験を行い全国1位を決めます
近年ではネット配信も行われるようになったので、とても地味ながらも何故か熱い戦いを観戦することが可能です
きき酒と聞くとラベルを隠したビンの銘柄名をピンポイントで当てるイメージを持っている方が多いかと思いますが、全国きき酒選手権でのきき酒は「嗜好順位法」という特殊なルールで行われます
嗜好順位方法のルールを適用したイベント例
- (前半)10種類の日本酒がそれぞれ入った10本のラベルを隠した瓶が目の前にあり、制限時間内に自分自身の好みの順番で1位から10位まで順位をつけ解答用紙に記入します
- (後半)1分ほどの時間を置いて別の卓に置いてある10本のラベルを隠した瓶に同じように順位をつけます
- 前半と後半で10種類のお酒それぞれに付けた順位が一緒であれば正解
- 前半で1位に付けたお酒を後半では5番目に好きと付けてしまうなどズレがあるとその分減点
減点される数値は順位のズレが大きいほど数値も大きくなり、計算方法としては
(前半順位 – 後半順位) X 2乗 となります
つまり前半で1位に付けたお酒を後半で2位につけたとしても1点しか減点はされませんが、後半で5位につけてしまうと16点減点されてしまうという事です
このように嗜好順位法とは満点からの減点方式で、自分の嗜好が前半と後半でズレずに回答できるかどうかを競うルールとなります
嗜好順位法でのきき酒ゲームは日本酒の銘柄を全く知らなくとも味覚が安定して優れている方であれば優勝できてしまうというとても公平なルールとなっており、ときおり大会でもほとんど日本酒を飲んだことの無い方が上位の成績を収めることもあったりします
ただ、きき酒ゲームへの慣れや筆記試験などもありますので、日々の練習と高い意識を持ち続けることが大切ですね!
お酒をただただ飲んで悪酔いするものにせず、賢く品良くおもしろく飲む為の一助としてきき酒という楽しみ方がありますので興味のある方は是非挑戦してみてはいかがでしょうか
ただ、いきなりきき酒をやろうとすると日本酒を揃えたりルールを理解しての準備が大変なので、まずは都道府県それぞれにある酒造組合で定期的にイベントを行なっていたりしますので、自分のいる場所の酒造組合をフォローしておきイベントに参加するのがおすすめです
宮城県では3ヶ月に1度90種類ほどの日本酒を飲んで味を確かめることができる会員限定きき酒会や、酒蔵の方々と直接交流ができる日本酒イベントなどが行われておりますので、きき酒大会に興味がない方もとりあえずフォローだけはしておいた方が良いと思います
宮城県酒造組合:https://miyagisake.jp/supoclub/
それでは皆様良き日本酒ライフを!!